筋膜リリースの効果
結論を先に言えばむやみに筋膜リリースしても痛みや姿勢を改善することはできません。
方法はいろいろで、揉みほぐす、ストレッチ、皮膚を引っ張るなどあり、どれも正しい方法で技自体はそれほど難しいものではありません。ネットの動画を見てそのまま真似しても意外と簡単にできてしまいます。
しかし、効いているのかよくわからないのはやり方が間違っているのではなく、どこを狙うかの問題です。
筋膜とは
筋膜とは皮膚と筋肉の間にある薄い膜のことです。分かりやすいのが鶏肉の皮と肉の間にある薄い膜が筋膜です。肉は境目があって手でも分けることができますが、筋膜はずっとつながっています。
筋肉はそれぞれ始まりと終わりがあって(筋肉の起始・停止)、重なっていても個別の筋肉ですが、筋膜は筋肉を覆うようにつながっています。ヒトの体も同じように筋膜で覆われていて、筋膜が一部分に偏って縮んでしまうと筋肉の動きに制限が出て姿勢の悪さや痛みにつながるというわけです。
筋膜リリースはその偏った筋膜を正常な位置に戻すことを言います。
思うような効果が出ないのはなぜか
しかし理屈が分かっていながら筋膜リリースしても良くならないのはなぜでしょうか?
そもそも筋膜が偏る原因は筋肉の引っ張りや硬直です。ですから、どこの筋膜が偏ってしまったのかを見極めずに関係ない場所を筋膜リリースしてもよくなりません。
筋膜リリースをする場所が重要なのですが、これは体全体の歪みの把握と原因となる筋肉の特定をしなければなりません。さらに個別の筋肉の起始停止、動き、筋トレ法、ストレッチ法を知っていないと求められた要望に応えることができません。
歪みを把握できて筋肉の知識があったとしても筋膜リリースを自分でやるには単純に手の届かない場所があるので簡単ではありません。
筋肉バランスの重要性
筋膜リリースは筋肉をほぐす手段です。要するに筋肉のバランスの問題なのですが、そのバランスをとる方法の一つに筋膜リリースがあるということです。
来院された方で筋膜リリースを体験してみたいといわれる方が多いですが、ものすごく地味なのでびっくりされます。
筋膜リリースという言葉が独り歩きしているようにも感じますが、技は地味でも使い方によってとても効果が出ます。
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